様々な肛門疾患
「血便がでる」悩んでいてどこの病院にかかったらいいのかわからない患者さまは多いようです。実際当院で採ったアンケートでは字が気になりだしてから肛門科を受診したのは平均で8年でした。 当院では大腸および肛門病をともに専門としているため様々な病気に対応できます。
当院の最大の特徴は「切らない注射による日帰り痔の治療」を行っているところです。痔に悩んでいる患者さんで「手術はしたくない」「治療は痛いのではないか?」と心配されている方が非常に多い様です。そのような患者さまは是非、相談にお越しください。
一般的に痔といっても内痔核(いぼ痔)、裂孔(切れ痔)、外痔核、痔瘻(あな痔)などと多彩な分類がありその病態に応じた治療法が必要です。
また内痔核には重症度により4段階に分けた分類(ゴリガー分類)があり、その病態に適応した治療を選択します。Ⅰ度から2度は薬での治療が主で、3度以上は何かしらの治療を必要なことが多いです。
1度:排便時に肛門管内に膨らんでくる程度の痔核
2度:排便時に肛門外に脱出するが、排便がすめば自然にもどる程度の痔核
3度:排便時に脱出し、指で押し込まないともどらない痔核
4度:常に肛門外に脱出
上記の3度以上は手術の適応になります。また2度でも出血がひどい、肛門痛が激しい、残便感があり不快などの症状が、日状の生活で困るようであれば治療をお勧めしております。
輪ゴム結紮法:ゴム輪で痔核の根元を縛って血流を止め、痔核を壊死させる方法です。 内痔核は神経がないため、痛みはありません。 1~2週間で痔核がしぼんでゴム輪とともに脱落し、便にまじって排出されます。出血もなく、外来でもできる方法です。痔核の状態によっては、ゴム輪がうまくはまらないこともあります。また、外痔核をともなう場合には向きません。
また外痔核に対しては5mmほど皮膚を切開して血の塊を取り出す血栓摘出術を行っています。
痔瘻に関してはシートン法と呼ばれる輪ゴムで痔瘻をくくる治療も行っています。 この治療のメリットは簡易的な手技で、大きな合併症を起こすことはほとんどないのにかかわらず治療成績が大変よいところです。
E on ALTA療法(新しい痔の治療の選択肢)
外痔核を合併した内痔核の場合、内痔核にジオン療法(ALTA療法)を外痔核に切除術を施します。
excision on ALTA(E on ALTA)は、切除範囲を最小限に、ジオン療法(ALTA療法)の治療効果を最大限に求めた、解剖学に基づいたALTA併用療法です。
この治療により今まで入院しての治療が必要であった多くの患者に、日帰り外来治療が行えるようになりました。 病理学的にも非常に理論的な治療であり、術後の痛みも十分自制範囲内です。