肛門の内側に生じるいぼ痔(内痔核)であれば、硬化療法で簡単に治せます。 内痔核硬化療法(ALTA療法/アルタ療法)とは、痔に直接、注射(ジオン注)を打って血管に炎症を起こして痔をつぶすものです。 痛みを感じることのない粘膜、粘膜下層に注射しますので、治療中まったく痛みを伴いません。所要時間は15分程度です。もちろん日帰りでできる治療です。内痔核は大きくなると肛門の外に脱出してきます(外痔核)。硬化療法ができるのは肛門の内側の内痔核のみです。
現在の当院の治療方針は、内痔核はジオン療法、内外痔核に対しては、ジオン療法と外痔核をなるべく小さく切除するE on ALTAという治療法を3年前くらいより積極的に取り入れ、良好な成績を納めています。 従来であれば、10日間ほど入院して手術しなければいけない患者が日帰り治療で対応することができるようになりました。術後の痛みも十分に許容範囲内です。
ALTA療法は非常に優れた治療法なのですが、直腸潰瘍などの合併症の恐れもありますので、施術には専門の資格が必要とされています。当クリニックはこの日本大腸肛門病学会が推薦している認定施設です。
ジオン療法の成績は切除するす術と比較しても遜色劣らない治療法です。
数年前の内痔核研究会で「ジオン単独療法では再発が多い。」というデータが出ていますが、これは正確ではありません。 純粋な内痔核に対してはジオン療法は手術と比べても遜色がないことがわかっています。
問題は外痔核成分が多い痔核にはあまり効果がないということです。
そこで近年ジオン療法はさらに進化し内痔核、外痔核を合併している症例に対して「内痔核はジオン注射でつぶし、外痔核は極力小さく切除するというE on ALTA 療法という手技がでてきて、再発率も低下しさらに成績がさらに向上しています。